おんなじ建物なのに、郵便物の受取りなどでなじみのある住所と、たまに見かける登記簿などに書いてある微妙に異なる住所と、2種類の住所があって、以前からなんとなく気持ち悪く思っていたのですが、今回とある研修会での講師の説明を通じてすっきり解決したので、ここに備忘がてら紹介させて頂きます。長く生きていても知らないことはいっぱいあるなと実感しました。
住居表示とは
郵便や宅配便などて馴染みのあるほうの住所は、住居表示といいます。場所をわかりやすくする目的で、「住居表示に関する法律」という法律に基づいて各市区町村が設定します。
住居表示は下表のような部分から構成されます。
大阪市中央区 | 上汐2丁目 | 4番 | 12号 |
(町名) | (街区符号) | (住居番号) |
大阪市の場合、「街区方式」により、町(丁目)をいくつかの街区に分け、起点となる街区から順序よく街区符号(番)をつけ、さらに街区の周辺から一定の間隔(10m)で右回りに区切って順に基礎番号をつけ、その建物の主たる出入り口(玄関)が面する基礎番号をもって住居番号としています。
具体的には、大阪城に最も近い街区の角から時計回りに10メートルごとに1号、2号、3号・・・と区切っていって、建物の玄関が所在する位置の号をその建物の住居番号としています。
したがって、住居番号1号の建物の隣の建物が住居番号2号とは限りませんし(2つの建物の玄関が10メートル以上離れている場合など)、場合によっては建物としては別なのに同じ住居番号ということもあり得ます(玄関が近接している場合など)。
実は、住居表示はすべての市町村で行われているわけではありません。有名なのは、京都市で、京都市は住居表示を実施していないので住居が建っている土地の地番で住民登録をします。
地番とは
地番とは、法務局が土地一筆ごとに振り分けている番号を指します。土地の所有権等を管理するための符号です。地番はすべての土地についているわけでなく、登記が必要な土地にのみにつけられます。
所有権が明らかになっており、納税が不要な国有地や登記がされていない未登録の土地には地番は振られていません。
大阪市中央区 | 上汐2丁目 | 4番地 | 15 |
(町名) | (地番) | (枝番) |
地番の調べ方
地番を調べる方法としては以下のようなものがあります。
- 固定資産税の納税通知書で調べる
国定資産税の納税通知書がある場合は、地番がわかります。固定資産税の納税通知書は毎年4月〜5月に不動産がある市町村から届く書類です。その年に支払う固定資産税が記載された書類で固定資産税の増税額に限らず、自分の名義や所有地などの情報がすべて記載されているため、最も早く地番を確認できます。 - 法務局に問い合わせて調べる
法務局に電話で問い合わせると、回答していただけます。 - ブルーマップで調べる
ゼンリンが発行するブルーマップは、住所や地番が簡単にわかるように記載された地図で、地域名や地番、住所、名前などの情報が細かく記載されています。法務局や公立図書館で管轄地域のブルーマップを閲覧可能なことが多いです(実際に調べに行く際は、その法務局や図書館にプルーマップが閲覧できるか確認してから行ってくださいね)。 - 登記情報提供サービスで調べる
登記情報提供サービスを利用することで、インターネットで登記資料データの取得ができます。 - 地番参考図で調べる
地番参考図とは土地の所在や町名、地番を表示した地図のことです。固定資産税の適切な課税に利用する際に使用されます。地番参考図は市街地を中心に提供していることが多いですが、地番参考図が無く提供できない地域もあります。