契約書の「見た目」や「形式」は、法律上の有効性を左右する決定的な要素ではありません。
しかし、実務では 読みやすさ・誤解のなさ・情報の整理 が極めて重要で、体裁が整っていない契約書は、後のトラブルや認識違いを招く原因になります。
本記事では、
・契約書の形式に“法律上の決まり”はあるのか
・実務で最低限そろえるべき体裁
・読みやすく、誤解を生まないレイアウトのポイント
・押印・日付・ページ番号などの注意点
を整理します。
「この契約書、見た目として大丈夫?」
そんな不安を感じたときに、まず確認すべきポイントをまとめました。

契約書を作成するうえでの体裁面の注意点を教えてください。

特別なことはそんなになく、ビジネス文書を作成するときの注意点と大きく異なることはないですよ。
様々ありますが、主なところをお教えしますね。
契約書作成の体裁面でのお作法
契約書を作成するうえでの体裁面でのお作法を、思いつくまま記載します。すべてこうでなければ無効とかいうものでもないのですが、お作法、エチケットとして心がけたほうが良いと思います。私も、企業法務の新人時代、先輩から叩き込まれました。
- 一つの契約書の中で、文字のフォントと大きさは統一しましょう。
- 用紙の大きさや文字の大きさは常識的な範囲で選択しましょう。
- 行頭の句読点や行末のカッコ始まりなどはNGです(禁則処理)。
- 捺印/署名欄は途中で改ページにならないようにしましょう。
- ページ最下行に「第〇条」と書き、次ページ冒頭に条文内容を書くのはダメです。
- 連数字、名前、社名などは途中で改行にならないようにしよう。
- 左揃えで行末は凸凹してるより、両端揃えの方が気持ちいい。
一つの契約書の中で、文字のフォントと文字の大きさは統一しましょう
たまに、契約交渉での修正合戦の名残か、ゴシック体と明朝体が混在していたり、文字の大きさが不揃いになっていたり、太字、網掛、下線が残っている契約書を見かけることがあります。さらには、文字の色が黒だけでなく青や赤が混じっていることもあります。
それでも契約としては有効であり、そのままで良いと言えば良いのですが、できれば最終合意したときには契約書全体で文字のフォント、大きさ、色を統一する加工をした方が良いでしょう。簡単なワードソフトの操作で可能ですよね。
用紙の大きさや文字の大きさは常識的な範囲で選択しましょう
契約書に使う用紙の大きさについて、国内の古い契約書ではB5サイズのものがあったり、アメリカの契約書ではレターサイズのものがあったりしますが、今現在ではA4サイズが標準です。
また、両面印刷か片面印刷の選択ですが、エコの観点では両面印刷を推奨します。しかし、重要な契約書で両面印刷するのは失礼だという説もありますので、相手方と相談して決めると良いでしょう。
文字フォントは、明朝かゴシックが無難です。消費者向けの契約などでは、メイリオなど柔らかい印象のフォントを使うこともありです。教科書体、行書体、ポップ体など奇をてらったフォントは避けたほうが無難です。
文字の大きさもまあ常識的な範囲で考えてください。A4の1ページに1200~1400文字程度が埋まる配置が標準とされています。
行頭の句読点や行末のカッコ始まりなどはNGです(禁則処理)
行頭の句読点や行末のカッコ始まりの禁止など、一般的な印刷上の禁則処理を業務で使用するワードソフトにあらかじめ設定しておくといいでしょう。
捺印/署名欄は途中で改ページにならないようにしましょう
捺印/署名欄は、途中で改ページにならないようにした方がベターです。
少なくとも、1つの当事者の住所と名前の記載がページをまたぐのはNGです。
ページ最下行に「第〇条」と書き、次ページ冒頭に条文内容を書くのはダメです
これは、印刷業界では「首吊り」という物騒な呼び方をされている状態です。改行位置を工夫すればすぐに改善できます。
連数字、名前、社名などは途中で改行にならないようにしよう
連数字の途中で改行になるのは、改竄のリスクもあるのでNGです。
また、名前や社名の行跨ぎの分断は失礼と感じる方も多いので注意が必要です。
左揃えで行末は凸凹してるより、両端揃えの方が気持ちいい
左揃えで行末が凸凹しているより、両端揃えの方が気持ちいい。ここはかなり趣味的ですが、すぎやんの好みです。
最後は、最低一回でも実際に紙に印字して確認しましょう。
細かい話をいろいろしましたが、これらのことはパソコン画面だけで確認していると、見落としがちです。
契約書が完成したら、手間でも紙に印字して、体裁の状態を目視で確認しましょう。
思わぬ見落としに気付くことも多いです。

これからは、面倒くさがらずに印字して確認するようにします。

契約書の体裁に関しては独自性を発揮せずにオーソドックスな体裁に落ち着かせるのがよさそうです。紙に印字して見るとPC画面上では気づかなかったミスに気づくことがあります。

