個人の印鑑登録制度について。意味と目的を知って、正しく活用しよう。

ハンコの知識
どてらいさん
どてらいさん

そういえば、なんかやってますね。印鑑登録。
マンション購入の契約をするときに出せと言われました。

すぎやん
すぎやん

どてらいさんに限らず、正直あんまり深く考えず、「必要です。」と言われて役所に行って印鑑登録をする人が大半だと思います。あらためて印鑑登録の意味と目的を知っておくことも大事かなと思います。

個人の印鑑登録制度

印鑑登録制度とは、個人が持っている印章の印影を住んでいる市区町村に登録する制度です。
このようにして登録された印章を「実印」と言います。

印鑑登録をすると、印鑑についての証明書(印鑑登録証明書)を市区町村から交付を受けることができます。
印鑑登録証明書には登録された印影、氏名、生年月日、住所が記載されています。

印鑑登録の意味

実印を押印した書面に印鑑登録証明書を添付することにより、その印影が実印であること、すなわち印鑑登録証明書に記載された人物がその書面に押印したということが確認できます(本人確認、意思確認)。

実際には、以下のような場面で印鑑登録証明書が必要になります。
多くの場合、3か月以内など比較的近接した期間に取得した印鑑登録証明書を要求されることが多いです、
・会社設立のとき
・賃貸物件を契約するとき
・不動産を購入、売却するとき。登記するとき。
・ローンを組むとき
・自動車など高価なものの購入契約のとき
・遺言書を公正証書により作成するとき

印鑑登録ができるハンコの要件

個人の印鑑登録は市区町村の自治事務であり、その取り扱いは各自治体の印鑑条例によります。各自治体の印鑑条例はほとんど全国で統一的な内容ですが、一部微細な相違点があるようです。
したがって、印鑑登録の制度詳細は、お住まいの市区町村のホームページをご覧いただければわかり易く説明されていますので、ご確認ください。

以下、大阪市のホームページから、「登録できる印鑑の要件」を引用します。カギカッコ内は筆者追記です。

  • 一人につき1個であること【一人で複数のハンコを印鑑登録できません】
  • 同一世帯にすでに登録されている印鑑でないこと【夫が登録している実印と同じハンコを妻が印鑑登録できません】
  • 住民基本台帳に登録されている氏名(通称またはカタカナで表記した氏名(併記名)を含む)を表していること(氏名、氏または名、氏および名のそれぞれ一部を組み合わせたものなど)
  • 請求により住民票等に旧氏を併記した方は、旧氏を表す印鑑を登録することができます。
  • 職業、資格など氏名以外の事項(動物の形等により氏名を図案化したものを含む)を表していないもの【山田さんが山田商店という印影のハンコを登録できません】
  • ゴム印・スタンプ印または変形しやすい材質でないもの【シャチハタ印不可です】
  • 印影の大きさが1辺の長さ8ミリメートルの正方形に収まらないもの、または25ミリメートルの正方形に収まるもの

印鑑登録と印鑑登録証明書取得の方法

お住いの市区町村指定の印鑑登録申請書、登録したい印章【ハンコ】、本人確認書類、代理人が申請する場合は委任状など、必要物を持参して役所の窓口で申請すると、後日(または即日、自治体の情報をご確認ください)印鑑登録証(カード形式の場合が多い)が発行されます。(ふつう、印鑑登録申請だけでは手数料は不要です。必要なのは証明書請求時。)

なお、15歳未満の者や成年被後見人は印鑑登録できません。また、マイナンバーカードとの複合運用が可能な場合もありますので、自治体のホームページや窓口でご確認ください。

印鑑登録証明書は、役所窓口などに印鑑登録証などの必要物と手数料を添えて請求すると交付されます。
最近は、住民サービスの一環で、一定の条件のもと24時間コンビニでの証明書交付が可能になっている自治体もあります。詳しくは、自治体のホームページなどでご確認ください。

印鑑登録の廃止

印鑑登録をした人が自治体から転出した場合や、死亡届けがなされた場合や、戸籍届出で氏や名が変わった場合などは、自治体が印鑑登録を廃止します。
また、実印を紛失・盗難や破損した場合など登録した印章を変更したい場合は、印鑑登録の廃止手続きを行ったうえで新たに印鑑登録をする必要があります。

どてらいさん
どてらいさん

よくわかりました。印鑑登録証明書を提出すると、「そんなハンコ押した覚えがない!」と後でいえなくなるわけですね。

すぎやん
すぎやん

そうです。やたらめったら出すもんじゃないですね。