建設業法の目的と内容(目次)

建設業法

建設業法とは

建設業を営む人であれば、建設業法という法律を聞いたことがあるでしょう。しかし、その条文を読んだことのある人となるとぐっと少なくなるでしょう。

建設業法は、建設業を営む人が守らなければならないルールです。法律ですから、守らないと懲役や罰金などの刑罰に処せられたり、せっかく取った許可の取消しや営業停止等の処分を受けたりすることがあります。
法律の世界では「法の不知はこれを許さず」という言葉があります。知らず知らずのうちに建設業法違反をしていて、ある日突然逮捕され裁判にかけられて、「建設業法にそんな条文があるのを知らなかった。」といくら主張したとしても、許されることはありません。

そんな話をすると、懲役や罰金は怖いから建設業法を全て読んで完全理解しておこうと思われるかもしれませんが、実際にはそこまでは必要なく、一般的なビジネスルールと建設業法コンプライアンスのポイントの部分だけ押さえておけば大丈夫です。

このコラムでは、建設業を営む者の憲法ともいえる建設業法の目的と内容(目次)など、基本的な部分をご説明します。

建設業法の目的

建設業法は、戦後復興期の昭和24年に制定されました。その後、業界状況や時代背景の推移に合わせて何度も改正が行われて、現在の形になりました。当初は第1条から第55条までの法律でしたが、その後の改正で枝番の条項が増えて(例えば、第27条は第27条の2、第27条の3…第27条の40まであります)、今では結構なボリュームの法律です。

建設業法の第1条には建設業法の目的が定められています。

建設業法

この条文を図示すると次のようになります。

建設業の許可についても経営事項審査についても配置技術者についても、すべての建設業法の規定は、「公共の福祉に寄与するため」にあるのです。許可を取るために色んな資料を集めて整理したりする苦労も、究極的には公共の福祉に寄与するためなんですよね。そう考えると、めんどくさくてもやる気が出てきますね(そんなことないですか(笑))。

建設業法の内容(目次)

建設業法にはどんな内容が書いてあるか、次の図表をご覧ください。実は、許可に関する規定だけじゃないんですね。

建設業法の体系

また、建設業に関するルールは、建設業法だけではありません。

建設業法は法律ですので、制定や改定をするときには国会決議が必要です。従って、その建設業法に具体的な細かい事まで決めてしまうと、それを改定したいときにその都度国会の決議が必要になり、タイムリーでフレキシブルな対応ができません。したがって、法律の下位の法令であり、内閣が制定する政令や各省大臣が制定する省令、地方自治体が定める条例や規則等で実用的な規範を定めています。(例えば建設業許可申請書の書式などは、建設省令(国土交通省令)である「建設業法施行規則」で定められています。)

また、行政機関がガイドラインや手引きを公表して、法令の条文の解釈や実務運用の解説しています。これらも含めて建設業の法規範です。

見建設業をめぐる法体系

法律:建設業法(昭和24年法律第100号)
政令:建設業法施行令(昭和31年政令第273号)
省令:建設業法施行規則(昭和24年建設省令第14号)
地方自治体規則(例):大阪府建設業法施行細則(昭和47年大阪府規則第69号)
ガイドライン(例):
 建設業法令遵守ガイドライン
 発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン
 監理技術者制度運用マニュアル
 建設業許可事務ガイドライン
 建設業許可申請の手引き

建設業法のコンプライアンスのためには、これらを全体的に理解する必要があります。