契約の電子化について_すぎやんの考え

契約書の基礎
どてらいさん
どてらいさん

最近、公私ともに紙の契約書でなく電子契約を使うことが増えてきました。

この流れについて、どう考えていますか?

すぎやん
すぎやん

たしかに、契約書も目に見えて電子化が進んでいますね。

この流れについて、私見をお話しします。

電子契約に対する思い

インターネットで「電子契約」を検索すると、膨大な情報がヒットします。
電子契約の具体的な解説はそれらの情報に譲るとしまして、このコラムでは、電子契約に対するすぎやんの思いを述べさせていただきます。

契約の電子化が進んでいます。やがて電子契約が主役になるかも・・・いや、きっと主役の場を奪うだろう

契約書の世界は、今まさに歴史的転換点にあります。古文書の時代から続いてきた「契約を書面に記録する」という方式は、「契約を電子的に記録する」という方式に確実かつ急速に切り替わろうとしています。
現に、例えばスマホショップで機種変の契約をするときも、生命保険の契約更新をするときにも、タブレットPC画面の指示された場所にタッチペンで署名をしたり、インターネットのWEB画面上の「同意ボタン」をクリックしたりする形で、契約を取り交わすことが増えてきました。
この流れは、まずはビジネス世界の契約で進み、やがて一般市民の間の契約にも普及していくでしょう。

ただ、全部の契約が電子契約に置き換わってしまい、「紙の契約は一切無くなる。」とか「ハンコがこの世から無くなる。」ということにはならないと思います。

電子契約が紙の契約書に置き換わるための条件

紙の契約書に置き換わるために、電子契約として備わっているべき条件として以下のようなものがあると考えます。

当事者が合意した内容が不変で長期間保持されていること。

契約を紙に書くことの利点のひとつとして、合意事項がきちんと目に見える記録され保持されていることがあげられます。紙の契約書に記録された内容は、勝手に書き換わったり、改竄されることは、原則としてあり得ません。また、焼失や紙やインクの劣化の可能性があるものの、半永久的に合意内容が保持されます。
電子契約においても、改竄防止や長期保管のための技術的開発が進んでいます。

契約当事者が間違いなく合意したという証明があること。

紙の契約書では押印や署名を行うことによって、契約当事者が契約書の内容に合意した証明をします。そこでのリスクとしては、ハンコを盗み出して押印したり、他人が契約者になりすまして署名するということがあり得ます。
電子契約においても、押印署名に代わる証明手段として、なりすましを防止するための電子証明技術の開発が進んでいます。

契約内容の秘密が確保されていること。

契約内容は秘密情報とすることが多いです。紙の契約書の場合、当事者が秘密情報として施錠ロッカーに保管するなど管理を徹底することが一般的です。
電子契約においても、契約内容が第三者に見られることがないようにするための暗号化技術の開発が進んでいます。

電子契約が主流になるのはいつか

もう既に、上記条件を満たす電子契約の技術が開発され、複数の電子契約サービスが存在します。
しかし、今のところ電子契約サービスの種類が多数あり、電子契約サービス毎にソフトウェアが異なり互換性がないなど、ちょっと使い難さがあります。
パソコンOSでいうとWindows、モバイルOSでのiOSやAndroid、表計算ソフトではEXCEL、電子会議ではZOOMとTeamsといったように、全世界的に通用するグローバルスタンダードといえるような電子契約システムが確立すると、電子契約の流れに拍車がかかると思いますし、その日は近いと思います。

考えてみれば、日本の古来の風習である年賀状も目に見えて減っています。メールやSNSで新年のご挨拶をするということも定着化してきました。細かいことはいろいろありますが、契約書の電子化という流れは絶対にあると思います。

こういった流れに乗り遅れないよう、電子契約の技術動向を眺めつつ、時流に乗り遅れず対応していくことがビジネスをやっていくうえで必要だと考えます。

どてらいさん
どてらいさん

時流を見つつ、柔軟に対応ということですね。

すぎやん
すぎやん

新しい方法を毛嫌いせず、丁寧に対応することが大切だと思います。