誰かに自分の代わり何かをやってもらう時に出すのが「委任状」ですよね。
便利な書類ですし、別に問題もなさそうですけど・・・。
そのとおり便利なものですが、ちゃんと読んでからハンコを押さないと面倒なことになることもありますよ。
委任状とは
委任状は、代理人(受任者)が本人(委任者)に代わり法律上の手続きを行う権限が与えられていることを証明する書面です。
会社としての役所への申請手続きを会社代表者が従業員に行わせるときとか、株主総会での権利行使を当該会社の代表者にゆだねるときとか、様々な場面で使用されます。
確かに委任したことを証明するため、委任者の自筆署名や捺印がなされることが多いです。
忙しくて役場に行けないときとか、会議に出席を求められたが、遠いので実際に出席するのが大変なときとか、公私とも委任状を書かれたことは何度もおありでしょう。
委任状は、とても便利な書面ですが、その内容次第ではリスク含みの書面でもあります。委任状を確認するうえでのポイントを説明します。
委任状の記載内容
委任状には、主に以下の内容が記載されています。
- 委任状を作成した年月日
- 委任者(本人)の住所、氏名、電話番号
- 受任者(代理人)の住所、氏名
- 委任事項(代行する業務)の内容
委任状のリスク
委任状は、ご自身のご家族、従業員など、信頼している人を受任者に指定することが多いので、そのような場合は、信頼関係が強く強固に維持できている限りにおいては、問題が発生することはほとんど無いと考えられます。
一方、このような関係性にない人に委任する場合は、悪用リスクの防止にちょっと配慮したほうがいいかもしれません。
いわゆる「白紙委任状」と呼ばれる委任状がリスクが高い委任状の代表格です。
委任状のリスク防止のポイント
委任状にまつわるリスクを防止するためのポイントは次の2点に集約されます。
委任者本人が、委任状の内容をよく確認したうえで、ハンコを押すこと。
出された書面の内容を見ずにハンコを押すとか、受任者や委任業務内容が空欄のままの委任状(いわゆ白紙委任状)にハンコを押して交付するとかは、受任者側で好きなように委任内容を記載できるので、悪用リスクは高いです。
委任業務の内容(範囲)に関する規定をよく確認すること
委任状の内容を確認する際に注目すべきポイントは、委任業務の記載内容です。
特にあいまいな記載しかない場合は注意が必要で、悪用によって受ける損害の程度によって、具体的な内容に修正することを検討したほうがいい場合もあります。
さらに、委任業務の内容の記載個所に、追記ができるような余白がある場合は、「以下余白」と記載することも検討ください。
あと、訂正用の捨印も押さない方がベターです。(ご参考:捨印のリスクについて)
融資などの大きな取引を行う際に求められる大量の捺印書類の中に、問題のある委任状を紛れ込ませている悪質な場合もあるようです。一枚一枚確認して、疑義があるときにはちゃんと相手方に確認したうえでハンコを押すようにしましょう。
すぎやんさんにいろいろ教えてもらい、ハンコを押す意味の重さがよくわかってきてます。
内容に納得しないとハンコを押してはいけないんですよね。