秘密保持契約書 内容合意から締結までロジ詳細(捺印、製本等)

秘密保持契約の交渉、締結まで
どてらいさん
どてらいさん

秘密保持契約の内容に合意しました。

契約書の締結作業に移りたいのですが、やり方わからないので教えてください。

すぎやん
すぎやん

合意できて良かったですね。
では、今後の事務作業についてお教えしますね。
電子契約も一部では広まり始めていますが、まだまだ主流である、「紙で作成し、両者が記名押印する」という伝統的方式をご説明します。

原本となる契約書を調製する。

① A4の紙に合意した契約書を印字する。
A3の紙の片面に印字して折り返して製本するという形もたまにありますが、少数派です。
また、外国当事者の場合、A4ではなくレターサイズの用紙を使用することもありますが、可能であればA4にした方が統一ができて良いです。
作製する部数は、契約の当事者の数とするのが一般的です。

② 余白は標準程度確保する。
特に、左右の余白については、後述の「袋綴じ」を行うので30mm以上確保しましょう。(あまり狭くすると、製本したときに文字が隠れることがあります。

③ その他、印刷に関する細かい注意点
・交渉時にできた修正履歴は完全に消去すること。履歴が残っていたり、不自然なスペースが残っていることも意外とあるので、注意しましょう。
・文字フォントは明朝かゴシックで。文字の大きさは10~12ptが良い。
・不適切な行頭のズレやフォントや文字の大きさ・色の不統一、多桁数字の途中での改行、条項番号の表示と本文との間の改ページ、記名捺印欄内のページ跨ぎ等、体裁上の問題がないかチェックして、あれば是正する。(何回も複数の目で確認するのがベターです)
・表紙の有無、両面印刷か片面印刷かは好みの問題だが、秘密保持契約は表紙無し、両面印刷がやや有力です。

製本する。

複数ページにわたる契約書の場合、ページ差し替え防止のため、製本をします。
製本の仕方は、市販の製本テープを利用する方法と、短冊で行う場合(袋とじという言い方をすることもあります)があります。
ちょっとややこしい短冊の方法を下の図に示します(袋とじにはいろいろな流儀があるようですが、これはすぎやんが会社の先輩に教わった方法です)。

押印する。

契約書の締結者を誰にするかは、あらかじめ相手方とすり合わせをした方が良いです。

小規模法人や個人事業主の場合は代表者が締結者になるが、規模の大きい法人の場合、当該法人の社内ルールで正当な権限を持つ者が締結者になることが一般的です。

押印する個所は捺印欄、製本した場合は契印の個所、印紙を貼付する場合は消印の個所になります。

曲がらないように、かすれないように、心と力を込めて押してくださいね。

契約書を複数冊作成する場合、全部の冊に同じように押印すること。

契約書原本を相手方に送付する。

押印した契約書原本を全部(通常2部)、相手方に郵送する。

送付時の逸失防止のため簡易書留郵便などトレースできる方法を利用するのが望ましい。

送り状の添付や返送用封筒の同封等については、適宜ご判断いただければ結構です。

相手方から両社捺印して完成した契約書の返送を受けて保管、管理する。

相手方から、両者押印した完成版の契約書原本が1部届きます。なかなか届かないときは、タイミングを見て督促した方がいいかも。なお、残りの1部は相手方保管の原本になります。

社内のルールに従って、契約書原本を適切に保管管理します。

意外と、届いた契約書原本を担当者が机の引き出しの中に放り込んでしまい、その結果、紛失してしまうということが起こるんです。きちんと管理することまで徹底しましょう。

まとめ

ご理解できましたか。
まあまあ簡単な作業ですので1回でも体験したらマスターできそうですね。

押印した契約書原本を相手方に送ったのに、いっこうに相手方から捺印完成版が戻ってこないということも、良くある話です。事務系業務は手間がかかる業務ですが、面倒だと思うとどうしても後回しになってしまいますね。
自らフォローするとともに、相手方と緊密に連携することが大切だと思います。

どてらいさん
どてらいさん

細かいところまでよくわかりました。事務員さん任せにせずに、私自身がフォローします。

すぎやん事務所
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