うちは秘密保持契約は締結しない主義なので、そのベースで提案してください。

秘密保持契約の交渉、締結まで

「秘密保持契約を提案したら、こんなこと言われた」のシリーズの3回目は、「うちは秘密保持契約は締結しない主義なので、そのベースで提案してください。」と言われた場合のお話です。

なぜ、そのような主義なんですか?

「秘密保持契約は締結しません」という主義を貫いている会社は、数は少ないですが、実際にあります。すぎやんも遭遇しました。

このような会社に対してビジネス提案をするために秘密保持契約の締結を申し入れると、「うちは秘密保持契約を巻かない主義ですので、秘密保持契約が無い前提で提案してください。」と言われることがあります。

このように最初から扉を閉ざされると一瞬たじろいでしまいますが、可能であれば、どのような理由で秘密保持契約を締結しないのか、相手方に対して純粋に聞いてみてはいかがでしょうか。

拒否理由として挙げられるのは、
・秘密保持契約の交渉や契約締結作業を行う時間と費用が惜しい、
・多くの相手から似かよった情報の開示を受けるので契約にのっとった管理ができない、
といったものが多いようです。

やっぱり、秘密保持契約はあったほうが良い。こんな切り返しはいかがですか。

当方としては、秘密保持契約は締結したほうが良いという考えですので、拒否理由を確認することにより「締結しません」という主張を崩す糸口が見つかるかもしれません。
以下のような切り返して、秘密保持契約の締結を促してはいかがでしょうか。

切り返し例 その1

秘密保持契約がないと、公知公用の情報だけで構成されたうわべの提案しかできません。弊社提案の良さを知っていただくには、秘密保持契約を締結して秘密情報を含んだ提案をさせて頂く必要があります。ぜひ締結をお願いします。

「そこまで言うなら締結しよう。」と言って頂ければいいのですが。。。

「いや、御社以外にもNDA無しでの提案が多くあるので、事足りていますよ。」と返されてしまうと、それ以上の進展は難しいかもしれませんね。

切り返し例 その2

貴社の需要にヒットしたご提案をさせていただくために、貴社の情報をご開示いただく場面もあろうかと思います。双方向情報開示型の秘密保持契約を締結することによって弊社は貴社の秘密情報をしっかり守ります。双方にとってより現実的なビジネスとなるよう、ぜひ秘密保持契約の締結をお願いします。

切り返し例 その3
秘密保持契約書の検討や締結手続きの手間が大変だ、という理由づけに対しては・・・

契約文面検討の手間を抑えるため、簡素化した秘密保持契約のご提案ができます。簡素化版の締結をお願い致します。

切り返し例 その4
いくら説得しても秘密保持契約の締結に同意いただけない場合はやむをえないので、一旦、秘密保持契約の締結をあきらめるしかありません。
この場合、一旦、公知情報だけで構成した提案を行うしかありません。その提案のなかで、「これ以上の情報が必要なら秘密保持契約を締結してください。」と迫ると、相手方の気が変わる場合もあるかと思います。

どてらいさん
どてらいさん

こういう言われ方すると、ちょっと気が折れそうですが、粘り強く交渉した方がよさそうですね。

すぎやん
すぎやん

秘密保持契約の締結はお互いの利益になるということを強調して交渉してみてはいかがでしょうか。

どてらいさん
どてらいさん

こちらの都合を押し付けるのではなく、相手のためになるということですね。

すぎやん事務所
すぎやん事務所

行政書士すぎやん事務所ではバランスのとれた契約書の作成をしています。ホームページをご確認ください。