契約交渉のすべての論点で当方の主張を受け入れさせることができました。
ちょっと強硬に交渉したのですが、結果的には良かったでしょ。
すごいですね。
先方が心から納得していれば良いのですが・・・。
全戦全勝の契約交渉は?
契約交渉で、すべての論点で一方の主張を相手方が受け入れて、その結果として一方に極端に有利な契約書が出来上がることがあります。
受け入れさせた方としては、結果論としては、理想の交渉ができたと評価するところでしょう。
しかし、ここでちょっと振り返っていただきたいのは、その交渉過程です。
契約交渉過程の評価ポイント
契約交渉の過程を次の観点から評価してください。
★契約交渉過程の振り返りチェックポイント
(はい:+1点、いいえ:-2点、わからない:-1点)
- 相手方から当方主張に対する意見が提案されたか。
- 相手方の提案を傾聴したか。門前払いしていないか。
- お互いが対等に意見を出し合えたか。
- 相手方と協力して争点について妥協点を模索したか。
- 相手方は交渉の着地点に腹落ちしている様子か。
以上の項目を、冷静に、客観的に評価してください。
全戦全勝の契約交渉の多くは、交渉過程の評価ではマイナスポイントが多いはずです。
交渉過程の評価が高評価でも、全戦全勝というのはもちろんあり得ますが、多くは、5勝5敗とか6勝4敗くらいになるのではないでしょうか・・・
交渉過程の評価が悪い場合、結果全戦全勝だったとしても、結局・・・・。
評価が悪い交渉は、「相手の意見を聞かず、当方の主張を強引に押し付ける交渉」です。
このような交渉の結果、全戦全勝の一方に圧倒的有利な契約書が出来上がったとしても、そこには、相手方には不満、屈辱、諦めの感情が深く刻み込まれ、契約書に関する腹落ちもありません。
そうなると、契約締結後に繰り広げられるビジネスがうまく回らない。長続きしない。拡大していかない。ということにつながります。
ビジネスの成功のためには良い契約交渉が必須です
ビジネスが双方当事者に利益をもたらしつつ、長期にわたり継続させるためには、いい契約書があることが条件です。
またその良い契約書にするためには、良い契約交渉があることが条件です。
契約交渉の過程では、上記のチェックポイントを思い出して、良い契約交渉ができるようにするべきです。
そうした方が、結局自分にとって得だということです。
時間がかかりましたが、お互いに意見を出し合い交渉しましたので、相手も腹落ちしていると思います。