ハンコの重要さは理解できました。会社としてどういうふうに管理していけば良いのでしょうか。
会社の規模が小さいうちは、社長ご自身の一元管理で良いと思うのですが、規模が大きくなるとそうはいかないでしょうから、印章管理規程を定めて管理するべきです。
ハンコは大事だよ
ハンコは大事なものだ。悪用されると大変なことになる。ということは誰でも感覚的に知っています。
だから、みなさん個人の銀行印や実印は、泥棒や他人にたやすく見つからない場所に隠して保管しているはずです。
民事訴訟法に下記の条項があります。
民事訴訟法第228条第4項
私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。
この条項によると、私文書への押印はその真正な成立を推定させる強力なパワーを持っています。
もし盗用された印章による押印であったら、盗用され、悪用されたことを証明して法律に規定された「推定」を覆さなければなりませんし、その間に損害が拡大する可能性も高いです。
従って、印章は盗難や悪用されないように、厳重に管理する必要があります。
会社における印章管理
特に会社においては、悪質な盗用を防止しなくてはならないことはもちろんのこと、誤用にも注意が必要です。
ハンコの誤用の典型例は、会社として正式に承認した事項でもないのに、その事項を記載した書類に押印してしまうという問題です。
その中身としては、問題であることを知っていながら行うものもあれば、問題であることを認識せず行ってしまったという場合も多いです。
そのような事態を避けるためには、印章は社長自身が個人的に保管し、文書に押印するときには社長自身が文書の内容を確認してから押すという方法が確実です。
しかし、実際には会社の規模が大きくなると社長自身にそのような負担をかけるわけにはいかないの普通ですので、印章管理責任者を定めるとともに、印章管理規程など社内ルールを定めて運用することが必要です。
印章管理規程には、会社として作製管理する印章の種類、保管責任者、押印責任者、押印申請手続きなどのルールを規定します。また押印した日時と文書の明細等を記録した「押印記録簿」を作製する運用をすべきでしょう。
ではわが社でも印章管理規程を作ろうと思うので、手伝ってください。
よろこんで。相談しながら作りましょう。