契約交渉のときに、お互いが何も発言せず沈黙する時間ってありますね。
はい。でもその沈黙を破る第一声が交渉全体に影響を与えることがあります。
あなたは沈黙に耐えることができますか?
対面の契約交渉のなかで、互いに何も発言せず沈黙が続く時間が生じることがあります。
あなたはこの沈黙の時間に耐えられますか?
何秒だったら、何分だったら耐えられますか?
正直、すぎやんはこの沈黙の時間が苦手です。多分30秒も持ちません。
そして下手な沈黙破りの発言をしてしまう例が多かったように思います。
このコラムでは、この沈黙の時間の双方の頭の中を想像しながら、効果的な沈黙破りの方法について考えたいと思います。
なお、契約交渉における沈黙の時間を分析すると、沈黙の直前の最後の発言をした人と、黙りこくった人とに分かれると思います。以下このコラムにおいて、前者を「待つ人」後者を「黙った人」と呼びます。
沈黙しているときの頭の中を想像してみましょう。
では、沈黙の時間中の、待つ人と黙った人の頭の中を想像しましょう。
【待つ人の頭の中】
- 相手は、何か怒ってるのかな? なだめる発言をしないといけないかな。
- 当方の提案のどこが気に入らなかったのだろう? 譲歩案を提案しようかな。
- 当方の最後の発言のどこかにわかりにくいところがあったのかな? 補足説明をしようかな。
- 何かえぐい対案を考えているのかな? これまでの合意を覆すような対案は困るな。
【黙った人の頭の中】
- 先方の提案に納得したので受け入れようと思うが、社内の承認がとれるかな。社長にどう説明しようかな。
- 交渉期限もあるしそろそろ合意してもいいかな。もう少しごねた方か良いのかな。
- 相手の話がよくわからないな。もう少し説明してもらおうかな。
- 別の事を考えていて、相手の説明を聞き漏らしたよ。当方の発言を待っている雰囲気だけど、困ったな。
- 相手の提案にほぼ納得したが、もうちょっとだけ対案出したいけどどう言ったらいいのかな。
- このまま黙ってたら、相手から何か譲歩の提案がありそうだ。もうちょっと粘るか…。
効果的な沈黙破り
契約交渉における沈黙の時間は、多くの場合、待つ人側の発言で解けます。
そしてその待つ人側の発言は、先の提案の譲歩案の提案になることが多いようです。つまり、譲歩案を提案して交渉を前に進めようという気持ちになるからです。
しかしです。上記で想像したように沈黙の時間における黙った人の頭の中って、意外と大したものではないことも多いのです。そんな中、思ってもみない譲歩案の提案、まさしく渡りに船で、黙ったことによる成果をゲットしたことになります。
では、最も有効な沈黙を解くための待つ人側の発言は。。。ずばり、
「どこか当方の説明で分かりにくいところがありますか。」「ご理解いただけましたか。」
という確認をする発言だと思います。
先方から求められてもいないのに譲歩案を出すのは。。。。まあ気持ち的には共感するのですが。。。得策とは言えないと思います。
沈黙に弱いのは僕も一緒です(笑)
その場面の行動には性格が出ますよね。全く関係ない世間話で場を和ませるつわものの先輩もいました。