相手方が、今度結ぶ契約書の締結者を相手方の総務部長にすると言っています。
こっちは代表の僕が締結者ですので、相手方も社長にしてほしいんですけどね。
まあ仕方ないかもしけませんが、念のため一言念押ししておいた方が良いですよ。
締結者を誰にするかっていうのは、ちょっともめることがあります。
契約書の内容に合意出来たら、つぎは締結作業という事務的なステージになります。
このステージでは慣習的にだいたいやり方は決まっていて、それに従ってやっていけばいいだけなのですが、一つ悩みとして出てくる可能性があるのは、契約書の捺印欄や署名欄に記載する締結者を誰にするのかという点です。
契約の締結者の原則的考え方
法人が締結する契約の締結者は、法人を代表して契約の内容を理解して契約を遵守することを相手方に対して約束する者になります。
逆に言うと、法人を代表してそういった対外的な約束事をできる権限を有する者になります。
具体的には株式会社の場合は代表取締役、合同会社の場合は代表社員、一般社団法人の場合は代表理事がそれぞれ法人の代表権者です。
そして、その代表権者の氏名は登記簿等で確認できます。
代表権者者以外の人が契約締結者になることもかなりあります。
中規模・大規模の法人になると、法人の代表権者ではなく、その法人の関連組織の責任者が締結者になることが多いです。たとえば、事業本部長とか支店長とか営業部長とかです。
それはそれで、その締結者がその会社内のルールとして正当な権限者であれば、問題ありません。
ある人が上記の正当な権限を有しているかどうかは、その人の所属や肩書から判断するか、相手方の説明を信じるしかないところですが、疑義があれば遠慮なく「この締結者は貴社において正当な権限者ですよね」と念を押して確認してくと良いでしょう。
場合によっては代表者からの授権書を取得すると確実です(非常にレアケースですが、すぎやんも実務経験上そこまで求められたことはあります)。
個人事業主の契約締結者は。
個人事業主の場合は、おのずから誰が締結者になるかは疑義が生じないと思います。
個人事業主が使用している屋号を契約当事者にできるかといえば、そこは疑義が残ります。つまり個人事業主はあくまでも個人であり、屋号自体は法的には実態がないからです。
しかし、かと言って、愛着と思い入れがある個人事業主の屋号を契約書の中にどこにも書かないというのは、個人事業主としては腑に落ちません。
したがって、契約上は「〇〇(屋号)こと〇〇〇〇(個人名)」と記載し、個人の実印を押すというのが個人事業主の場合一般に行っている方法です。
よし!!僕もその方法でいかせていただきます。